子どもに「考えさせる」ことと、「導く」ことは、矛盾しない

「自分たちで考えるチーム」を目指すと、必ずぶつかる壁があります

選手が自分たちで考えて動けるチームにしたい。多くの指導者が目指す姿です。そのために「みんなで意見を出し合おう」とミーティングの場を設けることがあります。

でも、やってみると氣づくことがあります。出てくる意見が、どこか似たようなものばかりになってしまうのです。

「もっと大きな声を出す」「〇〇をやってよかった」——言葉にしてくれること自体は大切です。でも、そこから先のチームの成長につながるアイデアには、なかなか行き着きません。これは、子どもたちの意欲や真剣さの問題ではありません。経験と知識の量が、まだそこに届いていないからです。

監督時代から、「選択肢を渡す」ことを意識していました

他のチームのミーティングを見ていて、感じることがありました。子どもたちが一生懸命意見を出し合っているのに、どこか議論が同じところをぐるぐると回っている。時間をかけても、チームとして前に進んでいる感じがしない。率直に、無駄だと思っていました。

だから私が監督をしていたころから意識していたのが、「選択肢を提示すること」です。

それでも、監督は「聞く耳」を手放しません

ただし、これは監督の考えを一方的に通すことではありません。

選択肢を提示しながらも、他のコーチの意見や、子どもたちが思いがけない方向から持ってきた案には、きちんと耳を傾けます。なぜなら、そこに新たな発見や氣づきが潜んでいることがあるからです。

「自分が最良だと思っている結果」が、本当に最良かどうかを問い続けること。聞く耳を持ちながら導くことが、指導者としての誠実さだと思っています。

より最良を知っている人が導く方が、成長も早く、遠回りも減ります

より良い結果を知っている人が場をリードすることは、決して選手の主体性を奪うことではありません。むしろ、遠回りを減らして、成長を加速させることにつながります。

これは、スポーツの指導に限った話ではありません。社会に出ても同じです。何かを学び始めるとき、まずプロのやっていることをそのまま真似することが、最も効率のいい入り口です。アマチュアが集まっていくら会議を重ねても、プロが経験と失敗の積み重ねの末に辿り着いたことに、たどり着けないことがあります。

「まず知っている人から学ぶ」という姿勢が、個人としても、チームとしても、成長の速さを大きく変えていくのだと思います。

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