「100点を目指せ」は、正しいのか
指導者なら誰でも、選手の成長を願っています。
しかし、「100点を目指せ」は、選手の成長を止めることがあると考えています。
100点という目標は、現在地から遠すぎると、選手にとって「どこに向かえばいいかわからないもの」になります。そして遠すぎる目標は、やがて見えなくなります。
私が目指すのは、80点
私が監督時代、選手たちに伝えてきたのは
「100点を目指さなくていい。まず60点、次に80点を目指そう。」
最初から完璧を求めない。できないことがあって当然。そのことを、はっきりと言葉にして伝えてきました。
例えば、チームの現在地が30点だとわかったとき、私はそのまま「今は30点だ」と伝えます。曖昧にしません。現在地を正確に示すことが、次の一歩を踏み出すための出発点だからです。
現在地を示すのは、指導者の仕事
「できなくて当たり前」と伝えることは、甘やかしではありません。
現在地を正確に把握し、選手に示すことは、指導者にしかできない仕事です。選手自身は、自分の現在地を客観的に見ることが難しい。だからこそ指導者が、「今はここにいる」と明確に伝える必要があります。
現在地が30点なら、次の目標は60点です。60点に達したら、80点を目指す。この積み重ねが、選手の成長を着実なものにしていきます。
チームとしての80点、個人としての80点。それぞれの現在地から、それぞれの次の目標を設定する。この考え方が、チーム全体を底上げすることにつながってきました。
「できた」体験が、機能を引き出す
60点、80点という目標設定には、もう一つ大切な意味があります。
届く目標があるから、選手は「できた」を体験できます。この体験の積み重ねが、選手の自信になり、體の機能を引き出す土台になります。
届かない目標ばかりを追い続けた選手は、やがて「どうせできない」という感覚を持つようになります。それは、體の機能を発動させる意欲そのものを奪ってしまいます。
「できた」という感覚を積み重ねることが、次の挑戦への推進力になる、私はそう確信しています。
指導者に伝えたいこと
この考え方は、私が全国優勝を2度経験する中で、実践を通じて磨いてきたものです。
「なぜ選手が伸びないのか」「どう目標を設定すればいいのか」と悩んでいる指導者の方に、一度現場でお話しできればと思っています。
體・研究所では、指導者育成の観点からも、こうした考え方をお伝えしています。選手の現在地の見方、目標の設定の仕方、伝え方——これらを一緒に考えていきます。
ご興味のある方は、LINEからお気軽にご相談ください。
