勝負に「運」はある。だからこそ、準備する。

運を、軽く見ない

スポーツの世界で「運」という言葉を使うと、逃げているように聞こえることがあります。「運のせいにするな」という文化が、指導の現場には根強くあります。

でも私は、運の存在を軽く見ていません。むしろ、真剣に考えてきた要素の一つです。

例えば、試合でどちらのベンチを使うか。一塁側か、三塁側か。太陽の向きによって、どちらが眩しいか、どちらが疲れやすいかが変わります。これは実力とは関係のない話です。でも、試合の結果に影響することがあります。

これを「運」と呼ぶなら、運は確かに存在します。

運を「知っている」かどうかが、差になる

大切なのは、そういった要素を事前に把握しているかどうかです。

ベンチの位置、太陽の角度、風向き、グラウンドのコンディション。こうした環境の要素は、試合が始まる前からわかることがほとんどです。把握していれば、対策を立てられます。把握していなければ、その場で戸惑うことになります。

「運が悪かった」で終わる指導者と、「あの条件をどう活かすか」を事前に考えている指導者とでは、同じ状況でも結果が変わります。

運を知ることは、準備の一部です。

準備できる運と、できない運がある

もちろん、どうにもならない運もあります。

突然の雨。予期しない負傷。相手の予想外のプレー。これらは、どれだけ準備しても完全にはコントロールできません。

ただ、私が経験してきた中で感じるのは、準備できる運の範囲は、思っているより広いということです。

環境を読む。相手を読む。自チームの状態を正確に把握する。こうした「観察」と「準備」を積み重ねていくと、偶然に見えることが、実は必然だったと気づく場面が増えてきます。

運も、チームの機能のうち

體の機能を整えることで、選手のパフォーマンスが引き出されるように、チームとしての「運を活かす機能」も整えることができると思っています。

それは、環境への感度を高めること。状況の変化に柔軟に対応できる準備をしておくこと。そして、どんな条件下でも選手が自分の體を機能どおりに動かせる状態をつくっておくこと。

運に左右されないチームではなく、運をも味方につけられるチームを目指す。それが、私の考えるチームづくりの一つの側面です。

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