私が指導で伝えたかったこと。指導と関係性

うまくいかない時期を、どれだけ我慢できるか

指導には、必ず「うまくいかない時期」があります。

選手からすれば、なぜこれをやるのか、いつになったら結果が出るのか、見えないまま取り組み続けることになります。その時期をどれだけ我慢できるか。これが、選手の成長を大きく左右します。

指導者側は、先を見越して計画的に動いています。今やっていることが、どこにつながるかが視えています。しかし選手は、その地図が見えていません。

だからこそ、現在地を伝えることが必要になります。


定期的に現在地を伝え、理解し合う

「今、自分たちはここにいる」ということを、定期的に選手と共有することが大切です。

現在地が見えると、選手は我慢の意味を理解できます。「この時期を乗り越えれば、次のステージに進める」という見通しが持てるようになる。その理解が生まれた時、指導者と選手は同じ方向を向いて動けるようになります。

理解し合えれば、うまくいく。私はそう確信しています。


體の使い方だけを伝えたかったわけではない

監督時代、子どもたちに伝えてきたのは、競技の技術や體の使い方だけではありませんでした。

自立した大人になること。社会は理不尽だということ。感謝の心を持つこと。人との関係を大切にすること。こうしたことを、競技と並行して伝え続けてきました。

そして、こんなことも伝えていました。

「5年後、10年後にごはんに誘ってくれるような関係性を築いていきたい。その時どうなっているか、愉しみにしているよ」

競技の結果より、その先の人生が豊かになること。それが、私が指導を通じて本当に伝えたかったことです。


指導は、その場だけのものではない

全国優勝するという目標は大切です。でも、それだけが指導の目的ではありません。

子どもたちが競技を離れた後も、社会に出た後も、あの時学んだことがどこかで活きてくる。その瞬間こそ、本当の意味で指導者の仕事は満たされるのだと思っています。

5年後、10年後のごはん。それを楽しみに、今日も指導に向き合っています。

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