強い選手を集めるか、いる選手を育てるか
チームを強くする方法は、大きく二つあります。
強い選手をスカウトして集めて、試合数を増やして経験を積んでいくことです。このやり方で結果を出しているチームは非常に多いです。
でも私のやり方は、違います。
今いる選手を育てて、強くしていくことです。
これが、私のチーム作りの出発点になります。
多角的な視点でチームを見る
今いる選手でチームを強くするには、一人ひとりをよく観察することが必要です。私が現場で意識してきたのは、次のことです。
キーマンを見つける。 どのチームにも、流れを変えられる選手がいます。その選手を見極め、適切な場面で活かすことが、チーム全体の力を引き出すことになります。
能力を見つけ、適材適所に置く。 選手の「できること」は、本人も氣づいていないことがあります。その能力を見つけ、最も活きるポジションや役割に置くこと、これだけで、チームの機能は大きく変わります。
相手の戦略を読む。 チームスポーツでの試合は相手があってのものです。相手がどう動いてくるかを事前に観察し、それに対してどう準備するかを考えます。
勝負どころを予測し、その瞬間に備える。 試合の中には、必ず流れが動く場面があります。そこをあらかじめ想定し、その瞬間に選手が迷わず動けるように準備しておきます。
試合の点差を予測する。 自分のチームと相手のチームの能力がみえてくると、おおよそどのくらいの点数と点差になるか、試合前から分かってきます。その予測を元に戦い方を組み立てます。
コンビや連携、相性を見る。 個の能力だけでなく、誰と誰が組むと力が増すか。人と人の相性は、チームの機能に直結します。
読み通りに事が運ぶ理由
同じようなチームづくりをしているところを、私はあまり見たことがありません。
多くの現場では、練習メニューや体力強化に目が向きがちです。でも私が注いできたエネルギーの多くは、「観察」と「育成」と「伝える」にありました。
選手を観察し、可能性を見つけ、その選手に合った形で育て、そして丁寧に伝える。この3つが、私の指導の軸です。
その積み重ねがあるから、おおよそ先のことが分かるようになります。読みが当たるとかではなく、先のことが、『分かる』という感覚です。全国優勝を2度経験できたのも、強い選手を集めたからではありません。いる選手の機能を最大限に引き出し、チームとして機能させることができたからです。
「人」の中に、可能性はある
スカウトで集めた選手がいなくても、チームは強くなれます。
今いる選手の能力を正確に把握し、適切な場所に置き、勝負どころで機能させる。この視点があれば、どんな組織でも可能性は開けると、私は思っています。
體・研究所での指導も、同じ考え方が根底にあります。今の選手の現在地を見て、その機能を引き出していくことです。選手達の力になれるよう、さらに尽力していきます。

