正しいトレーニングが、競技に活きないことがある
体幹を鍛えた。走り込みも続けている。フォームの練習も欠かさない。
それでも、練習と試合の動きが結びつかない——こういう選手が、現場には少なくありません。
指導者から見ると「やっているはずなのに、なぜ変わらないのか」と感じる場面です。選手本人も、何が足りないのかわからないまま、ただこなすことを繰り返している。
こうした状況には、
「メニューを伝えるだけでは、競技につながらない人がいる。」
と見ています。
「やり方」より先に必要なもの
トレーニング指導の多くは、「何をするか」に集中しています。どの筋肉を鍛えるか、どう動くか、どれだけ反復するか。
しかし、同じメニューをこなしても、競技パフォーマンスに直結する選手と、そうでない選手がいます。この差はどこから来るのでしょうか。
着目するのは、「在り方」です。
體をどう捉えているか。自分の動きをどう感じているか。競技の中で何を実現しようとしているか。こうした「内側の状態」が整っていなければ、どれだけ優れたメニューも表面をなぞるだけになってしまいます。
「在り方」を付与するとはどういうことか
「在り方を付与する」と聞くと、精神論のように聞こえるかもしれません。しかし私が指すのは、もっと具体的なことです。
體の機能が正しく発動するとき、選手は「こう動けばいい」という感覚を自分の中に持ちます。その感覚を一度でも体験すると、トレーニングの意味が変わります。「この動きは、あの感覚につながっている」という実感が生まれるからです。
逆に言えば、その感覚がない状態でメニューをこなしても、動作は競技に活かされません。練習と競技がそれぞれに独立した状態といえます。
「在り方を付与する」とは、選手自身がその繋がりを見つけられるよう、氣づきのきっかけを与えることです。
教え込まず、氣づかせる
體・研究所の指導の根幹にある考え方は、「教え込まない、気づかせる」です。
指導者が答えを与えると、選手はその答えを「再現しようとする」ようになります。しかし競技の場面は、練習通りにはいきません。状況が変わるたびに、「どうすればいいかわからない」という状態に戻ってしまいます。
一方、自分で氣付いた動きは、體に残ります。「こう動いたら、こうなった」という体験から生まれた感覚は、選手自身のものになります。それが競技の中でも発揮できる、本当の意味での「力」です。
トレーニングが競技につながるために
トレーニングの効果が競技に出ない選手に必要なのは、より多くのメニューではありません。
まず、自分の體が今どう動いているかを正確に感じること。その上で、競技の動きと體の機能がどうつながっているかを理解すること。この順序が整ったとき、トレーニングは初めて競技に活き始めます。
體・研究所では、選手の動きを観察し、どこで「つながり」が途切れているかを見極めます。そこから、その選手に合った「在り方」を一緒に探していきます。
メニューを与えるのではなく、動く感覚を取り戻す。それが、體・研究所の指導です。
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